【劇場プログラム】
12/22(水)6日目13:00〜
わ プログラム
ワークショップ:岩田善之「テキスタイルの現在」
ゲスト:岩田善之(イワゼン社長・テキスタイルデザイナー・毛織マイスター)
進行 :村上美知瑠(衣装作家)
【オリジナル生地のこと】
まだお腹が大きな頃
使いたい糸や、質感
まだ漠然とした憧れの卵を抱えてを毛織りのマイスター岩田さんの元へ
何度目かの岐阜マテリアルセンター を訪ねました
「ひな鳥みたいな生地にしたい」
子が産まれてようやくイメージが姿を帯びて
念願の生地が織り上げられる場に立ち会ったのは
ちょうどその子が1歳になる2020年の開けてすぐのこと
そうして目にした
毛織りのマイスターの
超一流のお仕事といえば、まるで魔法!
Sleeptravellingのロゴに着想を得たと
月のクレーターの様なジャガード柄がうっすら入ったその織り地は
私の願いを遙かに超えて
とびきり素敵に仕上がっていました
続いて整理加工へ
「移り変わる空の色にして下さい」と
持参した水彩の朝焼けと夕焼け空をお渡しして
ウール素材に流し染めをほどこす
国内外でも唯一の技術 アーバン染め をお願いしました
当時、私も岩田さんも嫌な咳風邪を拗らせていて
「噂の流行り病じゃないの〜」
なんてこと水谷さんと
まだ呑気に笑って話していたことを思い出します
美しい空色に染め上がった生地を
形にして“孵す”までそこから2年
図らずも、制作の全ては
小さな家の窓や庭から空を眺めては
それぞれの心に向き合う日々の中にありました
自由にはばたく鳥に 希望を重ねながら
Sleeptravelling
2021年コレクション”Bird”より
岩田善之(株式会社イワゼン 代表取締役社長)
尾州産地の活性化事業に関わる。尾州コレクション藤田恭一デザイナーのコーディネーターを初め、デザイナーブランドのジャカード織物をメインに企画、設計、生産、販売を行っている。天然繊維から合成繊維まで扱い、バイオーダーによる小ロットのオリジナル商品づくりを得意とする。
近年は中堅から新進気鋭の若手デザイナーとの取り組みも多く、テキスタイルマテリアルセンターに来館するアパレルやデザイナー、学生の素材相談にも応じてもらっている。特に、若手デザイナーには小ロットでオリジナル素材へのニーズに応えるとともに、学生には素材を使った熱く分かりやすい講義には定評がある。
平成25年5月より 岐阜県毛織工業組合 副理事長
平成26年5月より 尾州産地のFDC匠ネットワークメンバー
村上美知瑠(衣装作家)
国際基督教大学卒業後、フィンランドへ渡り、ニューヨークに居住。布を使用した作品の製作を始める。
ニューヨーク州立ファッション工科大学(F.I.T)在学中、マシュー・バーニーとビョークが協働したフィルム作品『拘束のドローイング9』の衣装を担当。
帰国後、川村美紀子やtantanらのコンテンポラリーダンス衣装を手がける。ほか、岩井俊二監督が率いるバンド「ヘクとパスカル」の衣装や「UNHCR難民映画祭」でのパフォーマンス衣装などへと製作の幅を広げる。
原宿「バラ色の帽子」でのデザインにも携わる。2021年「Sleeptravelling」名義で自身の企画ブランドを始動。
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